撮影の流れに関する9つのQ!(前編)


どんな風に撮影を頼んだらいいの? 場所や進め方は? 「百穀レンズ」に撮影を頼むときに気になりそうなことを、インタビュー形式で聞いてもらいました。ここで紹介している内容以外にも、ご希望があれば、遠慮なくご相談くださいね。


〇どんなタイミングでの撮影依頼が多い?

マタニティフォトの依頼のほか、お子さんの撮影で多いのは、生まれて半月ほどのニューボーン(新生児)フォト、一か月のお宮参りや七五三、それから1歳や2歳の誕生日など、やっぱり節目のときですね。ただ、1歳の誕生日といっても、みんなでお祝いをする日の撮影を頼まれるよりも、その前後で「1歳ころに家族で過ごしているとき」を撮ってほしい、ということが多いです。


珍しいところでは、「もうすぐ引っ越しをするので」という依頼もありました。毎日のように子どもたちと散歩していた道をあとから思い出せるように撮っておきたい、その散歩の途中でよく会っていた近所のおばあちゃんも一緒に写してほしい、というリクエストでした。


節目以外でも、たとえば、「もうすぐ立ちそう」という成長の過程や、おばあちゃん、おじいちゃんの家に遊びにいく日とか、好きなタイミングで撮影を依頼してもらっても面白いと思います。





〇撮影の流れは?

私のところに依頼をくださる人は、カメラ目線で笑顔のスタジオ写真とは違うものを希望されていると思うので、お子さんのどういう様子や場面を残したいのか、事前に電話で要望をお聞きしています。場所のイメージもそうですし、よくする遊び、いま興味をもっていること、ご家族でいちばん過ごす場所などをうかがいます。


「この間まで、ずりばいだったけどハイハイができそう」や「声を出して笑うようになってきました」など、そのときの成長の過程を撮るのも大事にしているひとつ。具体的なオーダーではないですが、「子どもたちにとって、大きな樹のような存在でいたい」と話してくれたお母さんがいて、それを意識して撮影したこともあります。もちろん事前の打ち合わせがすべてではないので、当日もお話をしながら状況にあわせて撮影を進めます。


大体、2時間くらいで100~150枚ほど撮影し、こちらでセレクトした60~90枚の写真を後日見せて、そのなかから選んでもらう流れになります。




ポージングしない写真がメインですが、集合写真も撮ります。自然な表情が素敵な一枚


〇服装はどうしたら?

その人の個性がでるものなので、好きな服があればそれを着てもらっています。どちらかというと普段着に近い人が多いかもしれません。服を借りたいという人も意外と多いので、マタニティドレスや自然素材のワンピース、子どもの服などの貸出しもしています。とくに子どもは着替えると、「見て見て!」って撮影に気持ちが入るみたいです。




マタニティドレスだけでなく、、子ども用のワンピースも数点貸し出している


〇どんな場所で撮影することが多い?

七五三の場合は神社も多いですし、マタニティフォトなら、2人でよくデートした場所で撮影することもあります。雨の日によく過ごした図書館だったり、好きなレストランだったり、ですね。普段の様子を撮影する「日常撮影」では、家や近所の屋外が多いです。ご本人がNGでなければ、私は家の中での撮影をおすすめしています。家と公園など2か所で撮影することも可能です。


家をおすすめするのは、10年後、20年後に写真を見たときに、家族の暮らしのなかにあった懐かしいものが数多く写っているから。毎日お風呂上りに使っていたブランケットとか、3人の子どもたちで使ってクチャクチャになったぬいぐるみとか(笑)。そういうものが家で撮影すると自然に入ってきます。何もない背景で撮るよりも、そのときの家族の暮らしの空気や匂いみたいなものが、写真を見たときによみがえってくるんじゃないかと思います。


よく「お見せできるような家じゃないから」と心配されるのですが、狭くても大丈夫です。無理にはすすめませんが、最初は不安に思っていても、最終的に撮影した写真をお見せすると喜んでもらえることが多いんです。



10年後、20年後に「こんなときがあったよね」と写真を見ながら話していそう


〇日常撮影では、どう過ごしたらいい?

「当日やりたいことはありますか?」と聞いて、たとえば子どもたちとクッキーを作りたいとか、近くのおばあちゃん家に遊びに行きたいという希望があれば、その風景を撮ります。普通に家で過ごしていても、意外と2時間はあっという間。私も最初は子どもたちと仲良くなるために、一緒に遊んだり、走ったりしています。もちろんカメラを持って、チャンスがあれば撮影します。


とくに特別なことをしなくても、子どもたちが自然と遊び始めるんですよね。急に服を脱ぎ始めちゃったり、走りだしたり、それをお母さんやお父さんが「もう、何やっているの」っていう場面だって、やっぱり愛しい子育ての時間の記録になる。「子どもが動き回って難しかっただろうと思っていたけど、たくさん撮れていてびっくりした」と言われることもあります。安心して任せてもらって大丈夫です。



これぞ、おうち写真の醍醐味!


〇撮影で意識していることは?

百穀レンズが得意なのは、「物語性のある写真」です。「こっち向いて、カメラを見てください」というのではなくて、家族と同じ部屋にいても気づかれていないような写真を撮りたい。イメージとしては、外から窓越しに家族の光景を見ているような感じです。楽しく話しながら撮影することが多いのですが、ときどきあえて席を外して距離を置くようにしています。そうすると、ふっと家族だけの空気に変わるんです。



ご機嫌ナナメになったお姉ちゃんを、優しく包み込むママ。笑って受けいれるパパ


たとえば5人家族の写真でも、お父さんとお姉ちゃんがいるときと、お父さんと下の弟くんがいるときでは、また雰囲気が変わってくるんですよ。それぞれの1:1とか、1:2とかのつながりが全部あわさって、「家族のつながり」になるんだと思う。家族のつながりと言っても、いくつもの関係性が合わさった総合的なものだと思うので、いろんな家族の組み合わせを意識して撮るようにしています。


とくにお母さんって、自分が写っている写真があまりなかったりするんですよね。私自身も、娘の誕生日に写真をたくさん撮ったけど、どこにも自分が写っていなかった。そういう実体験から、子どもだけでなくお母さんのことも被写体として大事にしています。


〇特に印象に残っている依頼は?[MN2]

4人目の子どもが生まれたお母さんからいただいた、ニューボーンフォトの依頼です。上の子たちは保育園くらいの年齢で、やんちゃな時期だということでした。新生児なのにひっぱられたり、触られたりするので、「やめて、触らないで」と、ついつい毎日のように怒っているという話だったんです。でも、撮影のときはあえて止めないので、お姉ちゃんやお兄ちゃんの中でもみくちゃにされながら育っている様子を撮ってほしいとお願いされました。


それがこの写真なのですが、周りでお姉ちゃんが走り回っていて、いまにも踏まれそう(笑)。いつもの撮影だったら、私も「気を付けてね」って止めていたかもしれませんが、結果的にお母さんの要望に沿った写真になりました。



おっとー、踏まないでよーー!


〇「百穀レンズ」に依頼をするのは、どんな人?

口コミやインスタグラムの写真を見て頼んでくれる人が多く、子どもたちの自由な姿を残したいという人が多いです。ニューボーンフォトも、一般的にはおくるみにキッチリまかれて、バスケットの中でポーズを決めて撮るのが主流ですけど、お父さんとお母さんに自然に抱かれた、家族の関係性が表れるような写真を撮るようにしています。


あとは、「母親目線に立ってくれるのがいい」という感想をもらうこともあります。子どもの成長ってうれしいけれど、巣立ちに向かうさみしさもあって、お母さんにとっては少し切ないことでもある。授乳中の様子、仰向けになって足を持つ姿、全部そのときだけのものなんですよね。そういう目線で撮っているので、あとから「この写真があって本当に良かった」と言ってもらえたときはうれしいです。


今までで一番印象的だった感想は、「自分がインスタとかで見ている写真って精米されたような写真が多いけど、かなさんの写真は玄米みたいで好きなんです」というもの。ピカピカに磨かれすぎていないってことなのかなって思います。


〇百穀レンズが得意な「物語性のある写真」とは?

1枚の写真を見て、そのときの状況や匂いまでが思い出されるようなもの。見たら語りたくなるような写真と表現したらいいでしょうか。言葉にするのは難しいのですが……。


たとえば、この写真は、りんごジュースをとられて泣き叫んでいた子が、お兄ちゃんたちに「ごめんね」となだめられて、渡されたジュースを一心不乱に飲んでいるところ。それをお母さんがそっと眺めているんです。目線とか表情から、いろんなことが伝わってくる。こういう写真を撮りたいなと思っています。それには観察力と瞬発力が必要。「いまこの瞬間しか撮れないかもしれない」ということは、いつも心に留めています。



涙を流しながら、一心不乱にストローを吸う様子がおかしくて、可愛くて⠀⠀⠀⠀⠀⠀


〇最後に……

自宅のリビングに家族の写真を飾っているのですが、娘に散々泣かれて大変な一日だったときでも、かわいい娘の写真を眺めているとすべて許せちゃったりする。そういう効果が写真にはあると思います。最近、娘のアルバムを見返しながら、子どもには「声なき声」があって、しゃべれなくても何かを一生懸命伝えようとしているんだな、とあらためて感じました。


写真はデータのまま保存するのではなく、プリントして日常的に目に入るところに飾ることをすすめています。その時々で写真を見て感じることが変わるのも面白いですし、子どもも写真を眺めて成長するなかで「こうやって、人のつながりのなかで育ったんだな」と感じるときが来るんじゃないかなと思います。百穀レンズでつくった写真アルバムを絵本がわりにして、子どもたちがめくるたびに違うお話を考えているという家族もいました。そうやって何度も見返したくなる写真を残したいと思って、いつも撮影をしています。


(2021.03)


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 百穀レンズ Photography

 0-3歳のお子さまのいる家族に特化した

 岐阜フォトグラファー 田中 佳奈

   web https://www.itoshiro.life


 マタニティフォト・ニューボーンフォト・ファミリーフォト・

 七五三の出張撮影。ライフスタイルフォト。


 お母さんたちが今感じてる”愛おしさ”を

 これから先もずっと、抱いていられるように。


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